事前準備
トレーニングコースの実習ではLinuxやCIDASシステムを使います。 実習前に各自で以下の準備を終えるようにしてください。
ターミナル環境・SSHクライアントの準備
Linux/UNIX入門を始める前に、ターミナル環境およびSSHクライアントの準備が必要です。
Windowsの場合
WSL2 (Windows SUbsystem for Linux 2) を使うとWindows上でLinuxを利用できます。公式情報は https://learn.microsoft.com/ja-jp/windows/wsl/install にあります。
まず PowerShell またはコマンドプロンプトから以下のコマンドを実行し、画面に表示される指示に従う (おそらく再起動が必要になる)。
PS C:\Users\<username>> wsl --install
スタートメニューに Ubuntu がアプリとして追加されるはずです。 Ubuntu を実行し、ユーザーとパスワードの設定を行ってください。
macOSの場合
BSD UNIXがベースなのでもともとインストールされている ターミナル.app
を使うことができます。
CIDASシステムへの利用申請・接続設定
ネットワーク入門を始める前に、CIDASシステムへの利用申請およびSSH接続設定が必要です。
CIDASシステムについて
CIDASシステムはISEEが所有するデータ解析や数値計算を実行できるクラスタ計算機です。
- システム構成:
- 1ノードのスペック
- CPU : Xeon Gold 6230R (Cascade Lake, 2.1 GHz, 26 cores, 35.75 MB Cache) x 2
- Memory : 384 GiB (32 GiB DDR4-2933 x 12)
- 計算ノード14機、IDLノード2機、共用ストレージ(Lustreファイルシステム)
- すべてのノードからアクセス可能なディスク領域
/cidashome/sc/cNNNNxxxx
が500GBまで利用可能
- 1ノードのスペック
CIDASシステムへの利用申請
事前にCIDASシステムへの登録を完了してください。実習の一部はCIDASシステム上で行います。
- CIDASシステム登録ページ: https://cidas.isee.nagoya-u.ac.jp/kyodo/regist.shtml.ja
- CIDASシステム利用マニュアル:
申請の際にSSH公開鍵を自分のPCで作成して、申請ページに入力する必要があります。 CIDASシステム利用マニュアルの「1. 利用申請」および以下の説明を良く読んで実施してください。 不明点がありましたら、周りの先輩や研究員、教員に聞いてください。
CIDASシステムへのSSH接続
以下はCIDASシステム利用マニュアルを良く読みながら実施してください。
セキュリティ上の理由で、CIDASシステム (scplatform2021
や scfront2021
) のホームディレクトリには公開鍵を置くことは禁止されています。多段SSHのため、「SSHエージェント転送」という方法で接続します。以下は簡単な流れです。
0. ssh-agent
の開始
client$ eval `ssh-agent`
client$ ssh-add <Registered private key>
# 成功した場合
client$ ssh-add -l
256 SHA256:~~~~~~~~~~ your_name@your_client (your key version)
# 失敗した場合
client$ ssh-add -l
Could not open a connection to your authentication agent.
If failed, please check your commands again.
1. scplatform2021
へのログインとエージェント転送が成功しているかの確認
client$ ssh -A <Username>@scplatform2021.isee.nagoya-u.ac.jp
# エージェント転送が成功している場合
scplatform2021$ ssh-add -l
256 SHA256:~~~~~~~~~~ your_name@your_client (your key version)
# エージェント転送に失敗した場合
scplatform2021$ ssh-add -l
Could not open a connection to your authentication agent.
If failed, please check your commands again.
2. scplatform
からscfront2021
へのログイン
scplatform2021$ ssh <Username>@scfront2021
ログインを簡単にするための設定 client:$HOME/.ssh/config
各自のPC上のホームディレクトリに client:$HOME/.ssh/config
というファイルを作成し、以下の内容を書き込んでください。scfront
のIPアドレス・ポート番号は周囲に聞くか実習時に質問してください。
Host scplatform
Hostname scplatform.isee.nagoya-u.ac.jp
User <Username>
ForwardAgent yes
IdentityFile <Registered private key>
Host scfront
HostName <IP of scfront2021 (NAPT)>
Port <Port of scfront2021 in NAPT>
User <Username>
ProxyJump scplatform
IdentityFile <Registered private key>
うまく設定されていれば、scplatform
を経由することなく直接 scfront
へログインできます。
client$ ssh scfront
SSHエージェントの起動・停止と Keychain について
ターミナルを起動するたびにSSHエージェントに鍵を登録する必要があり面倒です。また、起動方法によってはssh-agent
プロセスはシェルが停止しても生き残る場合があり、放置しておくと大量の不要なプロセスが発生します。
macOSの場合は、ssh-agent
とKeychainの連携が組み込まれており、client:$HOME/.ssh/config
に以下のような設定を書くと、ssh
コマンドを実行した時に自動でssh-agent
にキーが追加され、それ以降は自動でキーを読み込んでくれるようになります。
Host *
AddKeysToAgent yes
UseKeychain yes
Windows11上でWSL2を利用する場合もkeychain
をインストールすることで鍵をssh-agent
に自動で登録することができます。
複数のPCからCIDASシステムへログインしたい場合
もし複数のクライアントPCからログインしたい場合は、 scplatform2021:$HOME/.ssh/authorized_keys
および scfront2021:$HOME/.ssh/authorized_keys
に公開鍵を追加してください (既に登録されている鍵を消すとログインできなくなります)。その際も、登録する鍵はCIDASシステムが要求する暗号化方式に限ってください。執筆時点 (2025-04-04) では以下が許可されています。
- ECDSA公開鍵暗号化方式(鍵長 256 bits, 384 bits もしくは 521 bits)
- Ed25519公開鍵暗号化方式
GitHubアカウントの取得
Git/GitHub入門を開始する前に、GitHubのアカウントを取得し、実習に利用するPCの公開鍵を登録しておきましょう。なお、GitHubアカウントは利用規約により1人1アカウントと定められているので注意してください。